象徴寓話

象徴寓話 · 09日 8月 2024
左皿を探していた天秤の右皿は、左皿が落ちていった巣穴を見つけた。 長いこと待っていたが左皿は出てこない。 巣穴が使えなくなれば左皿が出てくるだろう。 そう考えていたところに青薔薇が風に吹かれて飛んでくる。 青薔薇は出会った右皿に自分が手折られた怒りと悲しみを話した。 右皿は巣穴の中を見てからこう言った。...
象徴寓話 · 09日 8月 2024
銀色の狼の暗い巣に、 青い薔薇が一輪風に乗って迷い込んだ。 魔女によって作られた青薔薇は魔女によって手折られ、それを怒っていた。 狼と蝋燭はその話をじっと聴いていた。 青薔薇は蝋燭に、 あなたの炎で全てを燃やしてほしいと頼むけど、 蝋燭は動けないからできないと断った。 青薔薇は狼と蝋燭がなぜここにいるのか知らなかった。...
象徴寓話 · 09日 8月 2024
銀色の狼が作った蝋燭はその暗い巣穴を灯した。 狼の思い出が照らされて壁に映っていった。 悲しそうな狼を蝋燭は温めてやりたかった。けれどそれは太陽の光には敵わない。 狼は思い出に囲まれながら蝋燭を守っていた。 蝋燭も忘れてしまった、友達の願いのために。 それはまで懺悔だった。
象徴寓話 · 09日 8月 2024
天秤から落ちて転がって行った左皿はどこへ行っただろう? 遥か遠くに転がり、狼のたくさんいる巣に落ちた。 それはまるで星のよう。 銀色の狼が、僕たち似てるね。と左皿を見つけ仲良くなった。 ある時左皿は言った。 自分を砕いて、蝋燭にしてほしい。 狼はその願いを聞いた。
象徴寓話 · 09日 8月 2024
むかしあるところに争い好きの王様がいた。 王様がどれだけ争い好きかと言うと、重さを量る天秤にまで勝ち負けをつけるくらいだった。 王様のお気に入りのその天秤 お皿を右と左で分けて、それぞれの重さで競わせ合った。 右が勝ったり左が勝ったりそれはなかなか釣り合わない そんなことをやっているうちに、 王様が争いに負けてしまった。...
象徴寓話 · 06日 11月 2023
 君は、あの夜空の一番高いところで、強く輝く、そんな星のもとに生まれたけれど、月のような価値もなく、太陽のような意味も持たず、君は君自身の成すことを、ずっとずっと探していたね。  君は誰かの為にと、在ろうとするほど、大事なものを少しずつなくして、君の闇は暗闇ではなく、底の見えない大きな虚だった。...
象徴寓話 · 06日 11月 2023
王様の天秤 大切な天秤 右 左 お皿の兄弟 上 下 釣り合わずいつも斜め 右のお皿と左のお皿は 本当に仲が悪い 争い好きの王様は それを見て大喜び 右を重くしてやり 左を勝たせてやれば 右が大怒り 左を重くしてやり 右を勝たせてやれば 左が涙を流す 王様 それを見て 大笑い 王様 王様 けれど王様? 王様の争いはいかがです?   王様の天秤 大好きな天秤...
象徴寓話 · 06日 11月 2023
 狼が出会った星の欠片は、本当は太陽の欠片だった。  狼は星に間違えられて、二人は一緒に過ごしたのだけれど、太陽は空に昇らねばならなかった。 「昇りたくない」  と太陽が言うから。必死に守ったのだけれど、ほんのちょっとの過ちで、太陽は崖から落ちて、そして新しい朝が来た。...
象徴寓話 · 06日 11月 2023
 風のように気まぐれで、行方も知らない蝶々は、まるで切り札のように、  滑稽を演じながら、全能のようにふるまった。  彼は彼の物語にならない限り無敵で、誰かの物語をめちゃくちゃにする。  だけど彼、きっと忘れてはいないだろう。  彼は本当は、もういない王の王冠を、その頭にかぶらなきゃならなかったってことを!...
象徴寓話 · 06日 11月 2023
 星屑を集めたような輝きの毛並み、瞳は深い海の底のよう。  彼はかつて人間の子供だったって、もう今では誰も知らないだろう。彼は蝶々に惑わされて、この夜の世界に来たわけだけど、それでもあの眩く熱い、太陽の世界を忘れなかった。...

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