名無しの土地

ラクティマリースという世界の地理は非常にあやふやな部分がある
その一つに名無しの土地があり、
それは、名無しの森や、名無しの草原や、名無しの砂漠や、名無しの山とも呼ばれている。
それらは名前のある時は、人々の間で移動することの可能な場所として存在するが、ある日突然、人々の記憶から、その場所がどんな名前だったのか、忘れ去られてしまうことがあるのだ。
そうなるとそこに道や方角は無くなってしまう。
その場所を正しく通るには、第六感が必要である。
それは超能力とも呼ばれ、魔力とも、聖力とも呼ばれてる人の持つ力である。
その力の強いものは、道も方角も無くなってしまった名無しの土地から、目的の場所に行くための方角を感じることができる。
しかし、その力を持たないものには、踏み入れたら最後、出られなくなってしまう魔境なのであった……。

名前のなくなってしまった場所には、鉄道はおろか道路ですら、人間社会のあらゆる技術を持ってしてもその道を開くことはできない。
そこを通ることがでいるのは、特別な力を感じられる者たちのみなのだ。