ルシェのあり方と→サレンアーデについての考察

サレンアーデの方のの考察の続きのようなものなのですが、
ルシェという人物について、彼女からみたサレンアーデについて、なんですけど。
ルシェはシリンという青年の思い出の人物の複製であるという役割を軸に生きていて、そのように思い込んだまま育ってしまったのもあって、その役割を無くした今、とても空虚な気持ちでいます。
そこに、自分の出生にまつわる、セレイネイドの痕跡を探すということを頼まれて、一時的にまだ自分に役割がある。と思っている状態ではないかと推測しています。
生まれや育ちや、はたまた造られた存在故か、ルシェは人のような感受性や倫理観を身につけたまま、何者かの媒介であろうという姿勢で生きてしまいやすいです。
そういうった姿勢はある種自分自身というものを究極に捨てやすく危うくもあり、自己犠牲も容易いです。
なので、彼女は求められるならその命を差し出しても構わないと、思うでしょう。
ただその探し物は、彼女が生きねば見つからないものであり、そのような他者への献身は、魔物であるサレンアーデにとってはひどく不気味なものに感じられて度々否定されることになります。
ルシェはサレンアーデのような人物に今まで出会ったことありませんが、なんとなくどのような傾向を持つのかは察することができます。
そして、自分とはほとんど分かり合えないような、そう言った価値観を持つ人物であろう事もよくわかっていきます。
それをルシェは序盤はあまり深入りせず、咎めも諭しもしないという立場を保っているかなと思うのですが(質問はしそう)
それは自分の旅が、自分自身に深く関わるという自覚が足りてない故からかもしれません。
誰かのための自分であるということを、それをやめなくてはいけない時がきます。
そこで初めてこの二人の関係性は新たな歯車を回すのではないか？
と考察しています。