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天秤の物語

むかしあるところに争い好きの王様がいた。
王様がどれだけ争い好きかと言うと、重さを量る天秤にまで勝ち負けをつけるくらいだった。
王様のお気に入りのその天秤
お皿を右と左で分けて、それぞれの重さで競わせ合った。
右が勝ったり左が勝ったりそれはなかなか釣り合わない

そんなことをやっているうちに、
王様が争いに負けてしまった。
王様は死んでしまう前に、天秤にずっと右と左で戦い続けてほしいと願った。
その願いは叶えられ、持ち主のいない天秤は、長いこと重さの量り合いを続けていた。
でもある時左皿が天秤から落ちて転がって行ってしまった。

天秤が量れなくなってしまえば、争い続けることはできない。
右皿は左皿を取り戻そうと思って追いかけた
でももうその時には、天秤は両方のお皿をなくし、壊れてしまっていた。

転がって行ってしまった左皿が見つかれば、天秤は元に戻るかもしれない。
けれど左皿はどこへ行ったのだろう?