「ルシェ、ね。俺はサレンアーデ。サラと呼んでくれて構わないから」
戸惑って溢れた言葉は、別の音となって拾われ、子供はルシェと呼ばれることになった。
サレンアーデと名乗った男はそれから部屋の明かりを灯す。
光に満ちた部屋は白く、色を取り戻した世界でルシェは人形ではなくなった。
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