ReLとは

それはある実在しない物語。
それはまだどこにもない物語。
それはある物語が終わった後の続き。

ReLのあらすじ

ホムンクルスの少女ルシェと魔物の青年サレンアーデが、
セレイネイドという魔物の少年の持つ記憶を探して旅をしている。
セレイネイドはルシェにとっては前世であり、サレンアーデにとっては魂の片割れであった。

太古の昔に造られた存在である魔物は、その時代の戦争によって主人であり王である人間たちを失ってしまった。
サレンアーデとセレイネイドもそのうちの二人だった。
彼らは元々一人の存在だったが、憎しみを欲する王の意志で魂を二つに裂き、お互いを永遠に憎み合うように命じられた。
それは彼らの主人である王が亡くなったあとも、何千年も続き、彼らは生まれ変わるたびに、憎しみ合うために出会って殺し合った。
あるときセレイネイドとなった一人が急にその宿命に疑問を持ち、サレンアーデとなったもう一人から逃げ出した。
サレンアーデは長きにわたってセレイネイドを探していたが、彼がようやく見つけたときには、全くの別人に生まれ変わっていた。

ルシェはルカと呼ばれたホムンクルスだった。西方都学会の学会員であり博士であったシリン・センクラッドが作った魂のある人工的に生み出された生命体。
ルカの姿はシリン・センクラッドの思い出に在る少年を模したものだった。そのために、忘れられない憧れを形にしたのだろうと、噂されていたが、実際は、魔物という存在であることを拒んだセレイネイドが、自分の肉体と魂を砕いて生まれ変わった存在だった。
シリンは過去に友人であったルカを救えなかった後悔から、友人であるセレイネイドの望みを叶えるために、その存在を救うためにすべての人生を捧げていたのだ。
そして研究所はルカを守るために存在していたが、西方都学会から研究停止を言い渡され、紆余曲折あったのち、研究所は閉鎖された。
魔法で作られた研究所は、その活動の停止とともにそこに居たすべての命が消え、同時にルカも消えるはずだったか、なぜか彼女だけ生き残ってしまう。
そこで出会ったのは、セレイネイドを探していた、サレンアーデだった。

サレンアーデはセレイネイドが永遠に失われてしまったことに気づいていたが、自らの宿命もなくなってしまった事を受け入れられず、ルカではなくなりルシェとなった少女とともにセレイネイドの事を知ろうとしていた。
そしてルシェは、自分の生きる意味だった研究施設と博士を失ってもまだ燃え尽きない命の炎を抱えて、前世の少年の記憶を探す事になった。

薄明の苑国(はくめいのえんこく)

これはどこにもない物語。
これはもうすでに終わったある物語。

薄明の苑国のあらすじ

西方都学会という組織に恨みを持った女性、スズモリレイカが、その恨みを晴らすために、学会管轄の隠された研究室に忍び込む。
そこは秘密裏にとあるホムンクルスを研究しているという。その研究は学会にとって大きな成果になるであろうと言う情報をサレンアーデと名乗る男性から得ていたのだ。
しかし中に入ると、その研究所の実態は研究所と言うよりも、さまざまな事情で行く宛のない学会研究者達の、終の住処として機能していた。
施設長のシリン・センクラッドはその場所を苑国(えんこく)と名付け、人々がなるべく穏やかに暮らせるように配慮していた。
そして肝心のホムンクルスは、ルカという名の、子供だった。
レイカはより実態を知るべく、ルカに近づくが、知れば知るほど、苑国の切実で奇妙な実態が明らかになる。
なぜ、苑国は存在するのか、ルカというホムンクルスは何者なのか、レイカの母と西方都学会の繋がり…。
すべての謎が明らかになるとき、この苑は永遠に失われる…。