人工生命体とは
人工生命体とは自然発生ではなく人為的に作られた生命体の事である。
かつてこの世は混沌の時代にあり、その時は神も人間も等しく新しい命を作り出すことが可能だった。
しかし現在では、その混沌の魔力は弱まって安定しているため、新しい生命体を生み出すにはいろいろと難しい条件が必要である。
人工生命体は、フラスコや培養装などで作れば、そこから外に出すことはできない。
それは人工生命体が科学技術で作られたものではなく、魔術によって生み出されたものだからに他ならない。
この新しい生命体は、世界の理に存在しなかったものなので、その存在としての実体力がきわめて薄いのである。
つまり、魔術の発生者と作られた存在のと間に魔力的な繋がりあり、それが切られておらず、発生者と分断されていない、発生者の延長の存在、発生者の幻。と言う状態である。
存在として不確かな生命体を、無理に発生地(魔法陣や培養装、フラスコなど)から出してしまうと、それはたちまち、もしくは数日で存在があやふやになり、その根源は発生者に還ってしまう。そして魔力は発生者をアースとして大地に還るのである。
これを実態とするには世界の理による承認、自然物質であり有機物質との交わりを得なくてはいけない。
この世界の理に、既に存在するものがその生命の発生源として存在しなくてはならない。
要するに卵の殻が必要なのである。
それは人間の胎や植物の実や動物の卵が可能である。
倫理的な問題により、人間の胎を使うことは禁止になっている。(そして成功率は極めて低い)